てきおうのうりょく

1987年。思えば丁度30年前、私はNZにいました。

大学を卒業したら、外国に行くことを決めていたので、4年になっても就活とかは一切せず(最後の夏もサッカーしてました)。

 

1年間有効のオープンチケットと必要最小限の物。ツテも行く当ても無しの放浪の旅。

結局はあちこちの牧場に押しかけては住み込みで働かせてもらい、国中を回っていたんですが。

 

如何にも私が怖いもの知らずの外向人間みたいですけれど、実は渡航して初めの1.2週間は引きこもりに近かったのです。

当初、宿は格安であったYMCAのドミトリーだったのですが、英語も未熟で、人と会うのも億劫。鬱とまではいきませんが、かな滅入っていたのは事実でした。

「一体、俺、何しに来たんだろう…」とか思う日々。

しかし、それでも突然にそこから本当に旅が始まったというか、宿を引き払ってヒッチハイクの乗り継ぎツアーとなったのです(私が会話を覚えたのは、このヒッチによるものが大きいです)。

自分で言うのも何ですが、帰国する頃には逞しくなってましたねぇ。

 

今シーズン、スペインリーグに移籍した柴崎選手(元アントラーズ)が、終盤かなり活躍していましたが、当初それこそホテルに引きこもり状態だったというか、新しい環境に適応できず、サッカーどころではなかったようですね。でも、それが慣れてしまえば実力を発揮して、地元サポからも大歓声。

 

新しく買ってきた金魚や熱帯魚とか、水槽に入れてやる前に「水合わせ」ってあるんでしたっけね。

急に温度や水質の違う環境に入れてやるとストレスや体調不良を起こすので、時間を掛けて水に慣らしていく方法ですよね。

 

言うまでもなく、人間も同じなんでしょう。

慣れない新しい環境は誰にとってもしんどいもの。でも、人はそれに適応できる能力があるんですよね。

アス高でもいますよー。初め来た頃は表情もこわばってドアのところから先に入っていくのも難しかったようなのが、今じゃ平然と元気に通ってたりするのがねぇ。

今になれば当時が笑い話。

新しい環境になって、今ちょっとしんどいなって時に、焦らず力を抜くことって大事かもしれませんね。

人には慣れる能力がありますから。

(居るべきでない場所からは離れていいと思いますけれど)。

今ちょっと難しくても大丈夫、大丈夫。